育成就労制度は2027年4月スタート|送り出し機関・費用負担・転籍のルールと紹介会社がいま準備すべきこと

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ヘルメットを着けて建設現場で作業する技能者
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技能実習制度に代わる「育成就労制度」が、2027年4月1日に始まります。送り出し機関の選び方や費用の負担ルールが大きく変わるため、海外から人材を受け入れる紹介会社・登録支援機関にとっても影響は小さくありません。制度のポイントと、いまから準備しておきたいことをまとめました。

育成就労制度とは

育成就労制度は、技能実習制度に代わって2027年4月1日に施行される新しい制度です。原則3年間の就労を通じて、特定技能1号の水準の人材に育てることを目的としています。「国際貢献」を目的としていた技能実習と違い、人材の育成と確保を正面から掲げているのが大きな違いです。

育成就労を修了した人は特定技能1号へ移ることが想定されており、育成就労と特定技能を一続きのキャリアとして設計する考え方になっています。

送り出し機関に関わる3つの変化

1. 協力覚書(MOC)を結んだ国からの受け入れが原則に

育成就労では、原則として日本と二国間の取決め(協力覚書)を作成した国からのみ受け入れる仕組みになります。各国の政府が送り出し機関を審査・認定し、受け入れ側は利用する機関が認定送り出し機関のリストに載っているかを確認する必要があります。民間の解説記事によると、2026年7月時点でタイ・ウズベキスタンとの取決めが作成されており、ほかの国とも順次作成が進められています。

2. 本人負担の上限は「月給の2か月分」

送り出し機関が本人やその親族から受け取れる費用は、すべて合わせて育成就労開始時の所定内賃金(基本給など)の2か月分が上限とされます。残業代などは計算に含まれません。たとえば所定内賃金が月18万円なら、本人負担の上限は36万円です。

上限を超える部分は、本人ではなく受け入れ企業や監理支援機関などが分担する考え方です。送り出しにかかる費用を誰がいくら負担するのか、内訳を明確にして合意しておくことがこれまで以上に重要になります。

「本人負担がいくらか」を説明できない送り出し機関は、育成就労では使えなくなる可能性があります。費用の内訳を開示できる機関との関係づくりを今のうちに進めておきましょう。

工房で機械を操作する技能者
工房で機械を操作する技能者Photo: Mikhail Nilov / Pexels

3. 監理団体は「監理支援機関」へ

技能実習の監理団体は、育成就労では監理支援機関として新たに許可を受ける必要があります。旧制度の許可がそのまま引き継がれるわけではありません。外部監査人の設置が許可の要件になるなど、受け入れ企業からの独立性も強く求められます。

本人の意向による転籍が可能に

技能実習では原則認められていなかった、本人の希望による職場の変更(転籍)が、一定の条件のもとで認められます。転籍できるまでの期間は分野ごとに1年または2年とされ、日本語能力などの要件も設けられています。2年とする分野では、2年目に昇給することが原則とされています。

受け入れ企業から見ると「採用した人材が移ってしまうリスク」がある一方、紹介会社から見ると、転籍を希望する人材と企業をつなぐ新しい需要が生まれる可能性もあります。

施行までのスケジュール

時期内容
2026年4月15日〜監理支援機関の許可の施行日前申請の受付開始
2026年9月1日〜育成就労計画の認定の施行日前申請の受付開始
2027年3月31日施行日前申請の受付期間の終わり
2027年4月1日育成就労制度の施行

育成就労計画の認定申請は、原則として育成就労を始める予定日の7か月前から5か月前までに行うとされています。2027年度の早い時期に受け入れを始めたい企業は、2026年秋〜冬が申請のタイミングになります。

技能実習からの移行(経過措置)

  • 新しく技能実習1号を始めるには、2027年3月31日までに計画認定を申請し、原則として同年6月30日までに実習を始める必要があります。
  • 施行日時点で技能実習中の人は、そのまま技能実習を続け、2号への移行なども可能です。
  • 技能実習2号を良好に修了した人は、育成就労の施行を待たずに特定技能1号へ移ることができます。

紹介会社・登録支援機関がいま準備すべきこと

  1. 付き合いのある送り出し機関が、各国の認定を受ける見込みがあるか確認する
  2. 送り出し費用の内訳(本人負担・受け入れ側負担)を書面で出してもらう
  3. MOC作成が進んでいる国の送り出し機関との接点を増やしておく
  4. 特定技能での受け入れルートも並行して確保する:育成就労の開始直後は手続きの混乱も予想されます

育成就労では「認定された送り出し機関」と「費用の透明性」が受け入れの前提になります。1〜2社の送り出し機関に頼っていると、その機関が認定を受けられなかったときに採用が止まってしまいます。複数の国・複数の機関とつながっておくことが、制度移行期の最大のリスク対策です。

よくある質問

育成就労制度はいつから始まりますか?
2027年4月1日に施行されます。監理支援機関の許可や育成就労計画の認定は、施行日前から申請の受付が始まっています。
育成就労で本人が送り出し機関に払う費用に上限はありますか?
送り出し機関が本人や親族から受け取れる費用は、育成就労開始時の所定内賃金の2か月分が上限とされています。
育成就労では転籍できますか?
一定の条件のもとで、本人の意向による転籍が認められます。転籍できるまでの期間は分野ごとに1年または2年で、日本語能力などの要件があります。

参考・出典

制度・手続きは改正されることがあります。最新の情報は各公的機関の発表をご確認ください。

OKURI BASE 編集部株式会社ドルジホールディングスが運営する、送り出し機関と紹介会社・登録支援機関をつなぐプラットフォームの編集チーム。特定技能・育成就労の送り出し実務を、公的情報をもとに解説しています。

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